つれづれ色々綴るブログ

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安心感の味


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ここ数日コロナワクチンの副反応で何年かぶりに寝込んだ。
安静にして横になっていたというだけなら最近だと骨折の時になる。しかしそれでももう4年も前のことになる。

体調を崩して具合が悪かった時で思い出すのは、私の場合決まって小学校低学年の頃だ。そのころ私は「自家中毒」という症状で度々具合を悪くしていた。
病気の説明をすると長くなるので詳細は省くが、要はストレスに弱い繊細な子供だった。
そんな時母はどんなに忙しくても私の世話をして、眠るまで傍にいてくれた。それだけで安心したものだった。
そしてもう1つの思い出は手作りの「パンプディング」だ。牛乳と卵と砂糖だけで蒸した素朴な味だったけど大好きで、具合が悪くてもこれだけは食べられることもあり、いつもねだって作ってもらった。いつも同じどんぶり?スープカップ?で作って貰っていたので、器の絵柄もおぼろげに覚えている。

やがて高学年になると、その症状はぴたり出なくなり、時は流れ30代後半になると、今度は私が母に対して、してもらったようなことをする番になった。その後は父親にも。
子供の頃の、あの心細さを埋めるくらい同じ事ができていたのだろうか…
最近はずっと自分がケアをする立場だったせいか、片足が使えない以外は元気だった骨折の時は、看護師さんの気遣いにすら恐れ多く、案外気丈だった。
でも今回は久々の発熱(いつ以来だ?)と体の具合の悪さで寝込み、母のパンプディングの味を思い出した。

が、実際は全く作る気にもなれず、毎日お粥、玉子、オートミールにバナナという、味気ないワンパターンメニューで乗り切った。
でも仮に作ったとしても、あの頃と同じ美味しさは感じなかっただろう。なぜならあの美味しさは、母親の愛情に包まれた安心感に他ならないからだ。

いま、まさにコロナで孤独な入院、または自宅療養生活をしている人の不安はいかばかりだろうと思う。ワクチン接種で重症化はしなくなるとはいえ、覚悟が必要だ。