つれづれ色々綴るブログ

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「縮小」したい思い出

 

f:id:Ak1173no01:20210817065505j:image            画像:朝日新聞デジタルより

 

昨日は盆明け。お盆だからと特に何をするわけではないが、TV中継で五山送り火を見たりすると、しみじみとするものだ。
しかしコロナは送り火にまで「縮小」という影響を及ぼしていた。
本来なら30から50数器の火床に、一斉に点火されるのだが、去年からは文字のポイントにのみ火をつけるだけになったそう。

京都でさえこんな状態だもの。パンデミック状態の東京へ墓参りに行く気になんてなれない。去年亡くなった父のお骨も、我が家のリビングで2回目のお盆を過ごした。
それでも両親への申し訳なさが相まって、画面越しの「縮小版」大文字焼きに手を合わせる。

実は4年前に五山送り火を見に行ったことがある。その頃は江戸時代から続くと言われている、古都の夏の伝統行事の意味もわからず、単なる好奇心で出かけた。
京都にはそれまでも何度か訪れていたが、今回は西陣にある町屋作りのゲストハウスに初めて宿泊した。宿の坪庭に感激!近所をうろうろして、伝統工芸品を紡ぐ街並みを堪能。「ふるカフェ系ハルさんの休日」で見た、昔の銭湯をリノベしたカフェで飲んだソーダは特別に美味しかった。

日が暮れて、いよいよ送り火の時間が迫る。ゲストハウスのご主人に「送り火の殆どが見える」と教えてもらった近所の山へ、ゲストハウスで借りた自転車で向かう。途中からは暗い山道を登りようやくたどり着いた。
確かに五山のうちの4つを見ることができたが、そこは地元民と思われる人々でごった返し、期待していたような情緒は味わえなかった。

その帰り道のこと。ご主人オススメスのポットから帰る途中には神社の参道がある。前日から雨が降っていた京都。その参道の階段で滑り、しこたま足首をくじいた。
しかし、(思い返すとよくできたなと思うが、)幸い自転車を借りていたので、左足をびっこ引きながらも軽い夕食を食べてから、コンビニでアイシング用の氷を買い、宿に帰った。しかし一晩中冷やしたが足首の腫れは引くどころか、どんどん酷くなった。
一人旅での怪我は心細い。「どうやって帰ればいいんだろう…」

翌日になっても痛みも腫れも引かず、予定を返上して病院へ。診断結果は思ったとおり骨折…
松葉杖をお借りし、色んな人の親切のおかげで何とか帰宅できた。
その後、地元の病院に数日間入院して、足首固定のため手術を初体験。
おかげで良くも悪くも色んな経験ができたが、以後、五山送り火を見ると、もれなくその時の一部始終を思い出す。そしてその時病院から借りた松葉杖もいまだに我が家の玄関に立てかけられたままだ・・・早く返却せねば(汗)
送り火の縮小とともに、この痛い思いでも一緒に縮小したいところだ。